あなたは自分のご両親が亡くなった後の事を考えた事がありますか?
いわゆる本家なのであれば、お墓、仏壇、納骨堂、神棚等、日本人であれば大多数の方が所有されているのではないかと思います。
ご両親が健在なのであればそれらの管理はご両親がされているでしょう。
しかし、いづれご両親が亡くなったらその管理をするのはあなた、そしてその後それらを引き継いでいくのはあなたのお子さん達です。
私自身(アラフィフ)は妹との二人兄弟で、私も妹夫婦も地元に居を構えています。
私達の代までならば引き継いでいく事も可能ですが、更に子供たちの代になると・・・
子供達は遠方の大学に進学しており、将来の生活基盤はおそらく地元以外の場所となると思います。
私の両親も高齢(70代後半)になり、最近ふとそんなことが頭をよぎるようになりました。
しかし、お墓やお寺の事はすべて親任せにしていたため、私自身それらの事について驚くほど何も知らない事に愕然としました。
いつまでも健康で長生きしてくれたらとは思っていますが、そうなった時のため、また自分の子供にも伝えるために、私自身が調べて分かった事をシェアしたいと思います。
現在保有しているお墓をどうするか
今回あげた問題の中で一番難題なのはお墓に関してではないかと思っています。
私の実家で所有しているお墓は、地元自治体が運営する霊園に私の父親が祖父母(私の)を供養するために建てた御影石の一般的なお墓です。
私が地元で暮らす内は定期的な手入れやお参りには行こうと考えています。
しかし私達夫婦が居なくなった後はと考えると・・・
先述したように子供たちにその管理を委ねてというのは負担になるのではないかと考えています。
ではどうするか。
今回、地元行政担当者に墓仕舞いする場合に必要な手続き、費用等、メールにて問い合わせた返答が下記になります。
※○○○となっている部分は私が在住している市町村名です。
>1・墓仕舞いするとなった時に必要な関係各所への手続き、費用等を教えて下さい。
下記の手続きが必要となります。
・権利移転許可申請 ※申請者が所有者である場合は手続き不要です。
必要書類…権利移転許可申請書 2部、申請者の住民票(本籍地入り) 1部、戸籍謄本(所有者との関係がわかるもの)1部・改葬手続き
必要書類…改装許可申請書、火葬許可証の写し(人数分)、移動先の使用許可証(菩提寺に発行していただきます) 各1部
※火葬許可証は○○○で火葬した場合は○○○で写しを取得できます。
火葬許可証を取得できない場合は除籍謄本を取得いただきます。以下については、町との手続きを石材店が代行するケースが多いです。石材店へご相談ください
・工事着手届
・工事完了届
・墓地返還届
上記は○○○との手続きになりますが、住民票や戸籍の取得以外の費用は不要です。
墓を撤去し、更地にするための工事費用については石材店にお問い合わせください。>2・墓が建っている土地の所有は○○○でしょうか?
はい。そのため、不要となった場合は更地にして土地を返還する必要がございます。(墓地返還届)
このような内容なのですが、要するに
墓の権利者が本人(この場合私の父親)以外である場合は名義変更の手続きが必要。(この場合は私)
名義を変更した上で遺骨の移転を申請という流れですね。
行政の手続きなので書類の発行手数料くらいしかかかりません。
墓が建っている霊園の土地は自治体が所有しているため墓仕舞いとなれば更地にして返還する義務が生じます。
墓石は当然人間が扱える重量ではないので重機が必要となり、業者さんに依頼する事になりますからそれが中ほどにある記述です。
今回、実家のお墓を建ててくれた石材店の経営者の方に参考までにという事で費用をお聞きしました。
あくまでも一例となりますが、そこでは1平米(1m×1m)40,000円頂いているとの事。
これに重機のアクセスを考慮した立地によっては更に追加があるそうです。
私の地元は北海道の田舎ですので霊園の一区画は一坪あります。(3.3平米)
つまり
3.3(区画の広さ)×40,000(工事単価)×1.1(消費税)≒150,000円
墓仕舞いにはこのくらいの費用が必要という事になります。
これはあくまでも私のケースでの目安ですのでお住まいの地域の行政機関や業者さんに問い合わせる事をお勧めします。
近隣に相談できる業者さんが居ない方や、お墓が遠方でなかなか現地での手続きが難しい方などは一切の作業を代行してくれる業者さん(全国どこでも対応可能)もありますので、下のリンクから無料見積もりをしてもらってはいかがでしょうか?
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実家にある仏壇をどうするか
次に考えるのは実家にある仏壇です。
お墓と同じく私の祖父母を供養するために私の父親が購入したものです。
お正月やお盆に家族、親戚が集まった際には手を合わせています。
私達兄弟、そして私達の子供達に日本の仏教というものを教えてくれた象徴ですので、その点両親には大変感謝しています。
自宅を新築する際、琉球畳の和洋室を一つ作っていますのでクローゼットのスペースに置けなくはないのですが、実家の仏壇はどうにも大きく、いかにも「昭和の仏壇」という仰々しさを醸し出しています。
我家は白を基調として設計しましたので、おそらく実家の仏壇を我家の和洋室に置いた時の溶け込まなさといったら言葉にできないと思います。
大変罰当たりだとは思うのですが、私の率直な感想です。
もし両親が亡くなったらしばらくの間は実家をそのままにしておき、先祖に手を合わす場所としておこうと思っていますが、どこかのタイミングで手放さなくてはいけません。
そうなった場合、妹と二人兄弟ではありますが我家が本家となります。
正月やお盆に先祖をしのぶ場所として仏壇はあった方が良いと思いますので、シンプルで我家に溶け込む外観の物を選びたいと思います。
小さな物に買い替えた際、既存の仏壇の処分方法についても地元の仏具店に問い合わせました。
宗派にもよるらしいのですが、まずは菩提寺に依頼して魂抜きをしてもらいます。(ここではお布施というかお礼として5,000~10,000円程包む事になります。)
その後仏具店にて引き取って処分してもらいます。
費用として30,000~40,000円程。(一般的な、高さが100cm~120cmの物)
「こだわりの無い方は粗大ごみとして出す方も・・・」
と言っておられましたが、さすがに不信心な私でもそれは抵抗があります。
菩提寺にある納骨堂をどうするか
祖父母の代からお世話になっている地元の真言宗のお寺が我家の菩提寺となっています。
祖父はかなり昔に他界しており分かりませんが、祖母の葬儀の際はお世話になりました。
納骨堂にも我家のスペースがあり、お墓と一緒に正月、お盆、お彼岸と両親がお参りしています。
私は不信心でお盆に手を合わすだけなのですが、納骨堂にも維持管理費用(というかお布施)が掛かっていますし、私の子供の代にはどうなっているか・・・
そこで今回、住職にお話を伺う機会がありましたので仮定の話として聞いてみました。
納骨堂を引き払うという事であれば、まずは地元自治体に届け出(登録されているそうです。)をし、希望があればお骨は永代供養という事で集合埋葬地へというのが一般的だそうです。
その際の費用はお布施という形になるので、みなさん10,000円程を包んで下さいますと言っておられました。
納骨堂を新築した際に「え?」というような金額をお寺に支払ったと両親に聞いたことがありますが、それに関しての所有権というか権利については何も言ってなかったので・・・
まあ、そういう事なのでしょう。
神棚をどうするか
神徒の方ならば別ですが、実家の神棚はあくまでも形式的な物で先祖供養のものではないので事案としては軽めです。
神徒の方には叱られそうですが、私自身が結婚当初、借家住まいだった時に両親が買ってくれた神棚を家の新築の際に家の雰囲気に合わないからと処分しています・・・
その際の方法は地元神社に預けて御焚き上げしてもらうというものでした。
当時で、費用は御焚き上げ料として5,000円程包みました。
十数年前ですので現在はと問い合わせたところ、今もその流れで大丈夫と神主さんよりお墨付きを頂きました。
手も合わせずに粗末に扱うくらいなら、こういう選択もあると思いますよ。
これからの神事仏事
両親が高齢となり、我家は一人娘という事で今回このような事を調べてみました。
これから少子高齢化に伴ってこういった悩みは益々増えてきますよね。
今の70代、80代の方たちは本当に信心深くて神社やお寺がお布施で成り立っていると思うのですが、私達の世代、ましてや私達の子供の世代にそれが成り立つか・・・?
日本の神事仏事は厳かで嫌いではないのですが、現在の社会は殺伐としており日々の生活に精一杯でそういった事に割く金銭的、時間的な余裕が無くなってきていますよね。
私も子供に古き良き日本の風習をしっかり教えて来なかったので少し反省しています。
まあ、たまに見聞きするドライブスルー霊園だとかwebカメラお参り(笑)だとかをするくらいなら「先祖供養は心の中で」が良いのかなと。