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SAGE(セージ)のフライロッドをアメリカに修理に出した記録全行程

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フライフィッシングをする人ならば知らない人はいないと言っても過言ではない超メジャーメーカーSAGE(セージ)。

高価ですが素晴らしいロッドが多く、愛用者も多いのではないでしょうか?

という私もSAGEが大好きで、一時期は各番手合わせて6本程所有しておりました。

年齢と共に釣行回数も減り、少しづつ所有するロッドを整理していき現在は3本を所有しています。

3本の内2本は日本の総代理店ウォルトンと契約を結ぶショップから購入した物ですので、ウォルトンの保証書があり、ショップに持ち込めば修理は可能なのですが、問題は一番高価だったダブルハンドのTCX 10150-4 #10です。

このロッド、10年程前にヤフオクで試し振りのみという触れ込みで、まだコルクにラッピングがしてある状態の物を買ったのですが・・・

あろうことか、このロッドを折ってしまったのです。

そうです、新同品とはいえ中古購入ですのでウォルトンの保証書はありません。

ロンゴ
ロンゴ
さあ、どうする。

高価だったというのもありますが、現在稼働しているのはほぼこのロッドのみ。

数々の歴戦を共にしてきた思い入れのあるロッドでもあります。

噂ではアメリカのSAGE本社に送れば直せると聞いた事もありますが、果たして私に出来るのか?

期間は?費用は?そもそもそれを英語で問い合わせられるのか?

今回、あきらめる事をせず、セージのアメリカ本社にロッドを送って修理する事にしましたので、輸送の事、関税の事、費用の事など情報をシェアしたいと思います。

中古で買って保証書の無いセージのロッドを折ってしまいあきらめている方や、修理したいのだけどやり方が分からないというような方の参考になればと思います。

アウトドア&フィッシング ナチュラム

TCXの修理が完了して返送されてきた様子はこちらから↓

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セージのフライロッドを修理するための概要

折れたTCX

まずはセージのロッドを修理するための大まかな流れを見て下さい。

  • SAGEのHPにてアカウントを作成
  • 自分のロッドのモデル名、シリアルナンバーを登録
  • 破損したロッド(登録したロッド)をSAGEに発送
  • 修理完了後返送

大まかに書くと簡単そうに見えますが、気を付けなければならない点がいくつかありますので順番に解説していきますね。

HP上にも修理依頼用のフォームがあるのですが、それはアメリカ国内向けのもので、海外から依頼するには今回のような手順を踏む必要があります。

SAGEにメールで問い合わせ

今回、アメリカのSAGE本社に修理を依頼するにあたって、それが可能かどうかという事をHPのコンタクトからE-mailで問い合わせをしました。

というと何か出来る人みたいですが、Google翻訳を駆使して要点だけ書いた簡素な物です(笑)

TCX 10150-4 #10 LINE 15’0″ 9 13/16 OZ.
serial number 〇〇〇〇〇〇〇

1-2-3-grip
Third section broken
Send by EMS from Japan Is repair possible?

Do I need a security code on the back of my credit card number in addition to 16 digits?

How long does it take?

Thank you

要は私のロッドの第3セクションが折れたので、EMSで送りますが修理できますか?

みたいな内容です。


EMSとは

EMSは世界120以上の国や地域に30kgまでの書類やお荷物を安心、簡単、便利に送れる国際郵便で最速のサービスです。

郵便局HPより引用


国内ではネット上のクレジットカード決済には裏面のセキュリティコードを要求される事が多いので、記載の必要があるかどうかの確認もしています。

それに対する返答がこちら

Hey Rongo-

Sorry to hear about your rod.

If you haven’t done so already, you’ll need to register your rod using the “Product Repair” page on our website at sageflyfish.com. After that, you may then select the “International Repair Form,” print it, fill it out with details on the repair and send it in along with the complete rod payment. We ask that you send the rod in packaging materials rather than the original rod tube and sock it came in, as there is no warranty on these items.

In order to save on shipping costs, you may also send just broken section. We need to have at least have 6 inches up from the female ferrule and six inches down from the male ferrule of the broken section for measurements. If you are wanting a warranty claim, you must send the entire broken section so that the break can be inspected.

Please be aware that at the current time, we are running about 4-5 weeks for completion of repairs after we have received a rod and logged it into our repair queue.

Thanks,

Nicole

要約すると、とりあえずロッドのシリアルナンバーを登録して、必要事項を記入した紙と一緒に送りなさいというものですね。

ロッドチューブなんかは保証の対象外だから違うものに梱包しなさいというアドバイスも。

これは向こうでおそらく修理完了品を送る形態のテンプレートが何かあるのでしょう。

送料節約のために折れた部分を切って、そこだけ送ってもいいよとも書いてありますが、勘違いだったら怖いので私はやりませんでした(笑)

メールでの問い合わせは、初めてだったため問い合わせたもので、この記事を読んで概要を理解されている方には必須の作業ではありません

以降の手順のみで大丈夫ですよ。

SAGEのHP上での手続き

ロッドを発送する前にSAGEのHP上で先に以下の手続きを済ませます。

アカウントを作成

まずはSAGEのHP上で自分のアカウントを作成します。

アカウント作成画面

自分のロッドのモデル名、シリアルナンバーを登録

ロッド登録画面

ここがポイントだと思うのですが、私の場合すんなり今回修理に出すTCXがアカウントに所有ロッドとして紐付けられました。

ということは・・・

前オーナーはロッドの登録をしていなかったという事になります。

このロッドが国内に入った経緯がウォルトン経由なのか並行輸入なのかは不明ですが、少なくともアメリカのSAGEに私はこのロッドのオリジナルオーナーとして認知された事になります。

ウォルトンでの登録とSAGE本社での登録が別物なのかも不明ですが、アメリカのSAGEに登録が出来るかどうかというのは、中古で購入したロッドがあなた名義で修理可能かどうかの判断材料になるのではないでしょうか?

SAGEロッドの修理費用には3区分あり

  • 現役のモデル 45ドル
  • 製造終了から10年以内 95ドル
  • 製造終了から10年以上 170ドル

となっています。

今回私が修理するロッド、TCXは2013年に製造が終了していますので2番目の区分となり、修理費用は95ドルとなります。

修理依頼書にクレジットカード番号を記載しましたのでそれで決済される予定です。

折れたフライロッド(登録したロッド)をSAGEに発送する準備

さあ、ここからが少々複雑です。

今回は思い入れのあるロッドだったので頑張って調べて実行しましたが、多くの方の心が折れてしまう部分だと思います。

理解してしまえばそこまで難しくないと思いますので丁寧に解説します。

ロッド修理だとしても、それは輸出、輸入となる

ただ物を送るだけなら上に書いた郵便局が扱うEMSという「ゆうパック」に似た国際郵便サービスがあるのですが、問題なのは国をまたぐと関税というものが発生するという点です。


関税とは

関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきましたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されています。

税関HPより引用


これは今回のようなロッド修理案件だとしても法律上はロッドを輸出し、返送品は輸入したことになるという事です。

釣り竿の関税率3%、これに消費税10%を合わせた13%が修理返送品の市場価格と修理代金に掛かってしまうという事ですね。

今回の事案について大変詳しく教えて頂きました。

東京外郵出張所(03-5665-3755)

函館税関(0138-40-4261)

ロッドの価値、価格はあくまで自己申告ですが、中古品だと常識的な市場価格を申告して下さいとの事。

メルカリ、ヤフオク等を検索すると40,000円~50,000円という所でしょうか。

これに、今回予定している修理費用約10,000円を合わせて、50,000円と申告したとすると約6500円の関税が請求される事になります。

ですがちょっと待って下さい、何か腑に落ちないのは私だけでしょうか?

修理を終えて返ってくるロッドは私が送った物で、海外通販で購入した物などでは断じてありません。

それに対して税金て、何か矛盾しているというか乱暴ですよね。

やはりそう思うのは私だけではないようで、このようなケースで免税または減税される方法がちゃんとあります。

詳しく解説されているのがこちらの税関FAQ

細かな注意点はあるものの、簡単に言うと荷物を送る前に必要書類を揃えて税関に確認してもらい、修理品が返ってからまた必要書類を提出すれば修理代金に対する関税及び消費税の支払いだけで済むというものです。

ロンゴ
ロンゴ
ですよね、そうでなければ何かおかしいです。

ただ、ここでひとつ問題があります。

この工程、書類の郵送やHP上でフォームへの記入等で済むものではなく、実際に最寄りの税関に荷物を持ち込み、職員の方に確認してもらわなければならないのです。

各都道府県の税関の支所、出張所は意外に少なく、職員が常駐していない場所もあります。

荷物が大きく、最寄りの税関が遠かったりしたら・・・

この理由で、面倒だからとこの手続きをあきらめて、払わなくて良いはずの税金を納めてしまうケースもあるようです。

私の場合、近隣に最寄りの出張所がありましたが、職員の方が常駐しない場所。

その事を函館税関本部の方に相談すると、150km離れた支所から私の手続きをするためだけに職員の方を派遣してくれることに。

大変恐縮したのですが、ここはお言葉に甘える事にしました。

ありがたい事ですね、地方在住者が不利益を被らないよう配慮してくれたのでしょう。

税関検査を受ける際にに用意した物

発送前のロッドと梱包資材
  • 折れたフライロッドと梱包資材
  • 税関様式T第1050号 2通
  • SAGEへの修理依頼書
  • インボイス
  • EMS伝票
  • 印鑑

今回、税関職員の方に確認してもらうにあたって用意した物を解説します。

折れたフライロッドと梱包資材

今回、SAGEに送るべき部位の問い合わせもしたのですが、明確な回答ではなかったため4Pieceすべてを送る事にしました。

実際に折れているのは第3セクションで、グリップの次に太い部分です。

これをホームセンターで購入した内径50mmの塩ビパイプに入れて送ります。(約600円程)

内容物を確認後、税関のマークが印刷されたテープで封印されますので、梱包資材も含め、送り先に持ち込み可能な物か飛行機の輸送が可能な物か等、事前に郵便局に確認しておくことをおすすめします。

税関様式T第1050号 2通

これに必要事項を書き込み、2通に税関の割り印をした後、1通は控えとして返却されます。

こちらから印刷できます

私が記載した内容はこんな感じです。

SAGEへの修理依頼書

SAGEのHPから修理依頼書のPDFを印刷して必要事項を英語で書き込みます。

こちらから印刷できます

私が記載した内容はこんな感じです。

今回、手書きだと先方の読み間違いが怖いので、PDFファイルをワードで読み込み記入しました。

若干書式は崩れますが、問題の無い範囲です。

アクロバットをお持ちの方はそちらを使うのが間違いないです。

インボイス

郵便局のHPにエクセルファイルでテンプレートがありますのでそれを利用しました。

英語で送り状という意味ですね。

こちらから印刷できます

その名の通り、荷物の中身が何なのか、何処へ誰が何を何の目的で送るのか等をアメリカの入国審査で分かるよう、英語で記載します。

私が記載した内容はこんな感じです。

EMS伝票

これも事前に記載して税関職員の方に見て頂き、コピーを上記書類の控えと一緒に受け取りました。

内容物の価格は今回の予定修理費用95ドルと書き込み、チェックボックスは「その他」にチェックを入れ、「Repair」と追記しました。

私が記載した内容はこんな感じです。

印鑑

上記の税関様式T第1050号に押印する箇所があり、そのために持参しました。

荷物の封印

税関職員の方に封印してもらった荷物

すべて確認してもらってからロッドに発砲シートを巻き、必要書類をクリアファイルに入れて一緒に塩ビパイプに入れ、両端をエアパッキン(プチプチ)と梱包テープで巻いて荷造りしました。

税関職員の方がその上に「Japan Customs」と印刷された黄色のテープで封をします。

今回、実際に荷物内に入れた書類は

  • SAGEへの修理依頼書
  • SAGEとやり取りしたメールのコピー
  • インボイス

本当に必要だったのはSAGEへの修理依頼書だけで、メールのコピーは念のため、インボイスは中に入れるのではなく、EMS伝票と一緒に郵便窓口に提出します。

ただ、入っていて悪いものではないのでどちらでも大丈夫でしょう。

ここまでが税関職員の方とのやり取りです。

郵便局で発送する

郵便局窓口で発送

準備ができた荷物を郵便局に持ち込むのですが、私は事前に発送予定の局に相談に行っていました。

都会なら日常業務なのかもしれませんが、地方の郵便局は海外発送の経験が少ない可能性が高いです。

こうする事で、局員の方も調べたり、問い合わせたりする余裕ができてスムーズに発送手続き出来ますよ。

今回の荷物、ロッド本体は300g弱ですが、梱包すると約1.2kgとなり、アメリカまでの送料は3,300円でした。

EMS伝票は自分で貼らず、インボイスと一緒に局員の方に渡しました。

インボイスは控えを取った後、透明なビニール袋に入れられ、荷物に添付されるそうです。

さあ、ここまでが今回の作業のすべてなのですが、後日、修理完了品が届いたら受け取りの部分の詳細を追記したいと思います。

ナナ
ナナ
元気になって帰って来いよ
アウトドア&フィッシング ナチュラム

ロッド修理依頼の途中経過を報告

ロッドを発送後の経過を報告します。

2020年1月27日 地元郵便局より発送手続き(北海道)

2020年2月 1日 国際交換局に到着(東京)

2020年2月 1日 国際交換局より発送(東京)

(以降現地時間)
2020年2月 1日 国際交換局に到着(アメリカ)

2020年2月 1日 税関検査のため税関へ提示(アメリカ)

2020年2月 1日 税関検査より受領(アメリカ)

2020年2月 3日 配達局へ到着(アメリカ)

2020年2月 3日 シアトルのセージへ到着(アメリカ)

以上がEMSの追跡に記載されている記録です。

私のTCXは無事、アメリカのSAGEに1週間程で到着したようですね。

それ以降の経過は

2020年2月 6日 VISAよりSAGEでの海外利用請求 10,607円
(95ドルを1ドル111.653円で換算と説明あり))

おお!という事は正式に修理してもらえるという事ですよね。

ということで、「進捗状況はどうですか?」みたいなメールを出してみました。

こんにちは

私のロッドは無事に到着していますか?

今後の予定が決まっていたら教えて下さい。

Hello

Has my rod arrived safely?

Please let me know if you have a future plan.

返ってきた返事はこうです。

Thank you for following up on the status of your rod. Yes, your rod arrived safely. We are replacing the butt, 3rd, and 2nd sections of the rod. It is currently having the cork handle built.

Thank you,

Cori Kimball

こんにちは、

ロッドの状態をフォローアップしていただきありがとうございます。 はい、ロッドは無事に到着しました。 ロッドのバット、3番目、2番目のセクションを交換しています。 現在、コルクハンドルが構築されています。

ありがとうございました、

コリ・キンボール

ほうほう、折れてない第2セクションやグリップのコルクも新調してくれているみたいですね。

5月のイトウ釣行に間に合いそうですよ。

 

TCXが修理を終えて返って来ました。続きは下の記事からどうぞ。↓

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