ホンダの除雪機を所有している方、オーガのハウジングにサイドカッターは付いていますか?
サイドカッターとはシューターの前に付いている黒い鋼材で出来たコの字型のパーツなのですが、オプション装備なのでたぶん付けていない人の方が多いですよね。
実は私もHONDA HS970を所有していますがサイドカッターは付けていません。
メーカーHPの解説では「高く降り積もった新雪の切り崩しに便利です」とのこと。
私、以前からこのパーツが気になっており、一体どんな使い勝手なのか試したくて、とうとう自作してしまいました。
この記事では除雪機のサイドカッターの効果の検証、自作方法、制作費等を解説しています。
果たしてサイドカッターは除雪作業にどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。
除雪機にサイドカッターは必要か
私はホンダ除雪機ユーザーなのでサイドカッターと表記しますが、ヤマハ除雪機での同パーツはサイドマーカーと言うようですね。
ヤマハユーザーの方は文言を置き換えて読んで下さい。
そもそもサイドカッターは必要なのか?という観点で考えるならば、まあ、無くても困らないというのが私の率直な感想です。(数年、無しで運用して来たので。)
ただ、積雪がオーガーのハウジングの背丈以下であれば、という注釈付きです。
こちら、除雪作業の合理性を追求するパーツなんだと思います。
付いて無くても除雪は出来るが、あれば除雪が捗るという考え方です。
日本海側の豪雪地帯にお住まいで、一晩で膝より上まで積もる日がシーズンに何度もあるという方なら間違いなく買いです。
というのもサイドカッターは積雪がオーガのハウジングよりも高い場合にその真価を発揮します。
金属製で壊れる物でもありませんし、一度購入して装着すれば一生ものでしょう。
雪が少ない地域でも吹き溜まりで背丈ほどになる場所もあったりしますし、活躍する事もあると思いますよ。
何より除雪機を購入する予算から考えればこの値段は誤差の範囲です。
今回私は自作しましたが、昨今の鋼材の値段と手間を考えるとメーカーの値付けもまんざら暴利でもないのかなという感想です。
迷っている方はサクッと買って取り付けてしまいましょう。
サイドカッターの自作
ホンダ除雪機HPより引用
さて、サイドカッターですが、メーカーで発売されている既製品はお金を出せばすぐに手に入ります。
しかし、画像をよく見ると金属のフラットバー(平鉄)をコの字に曲げて左右に2か所ずつ穴を開けただけの工作物というのが分かります。
これ、必要な工具と知識さえあれば、工作好きの方なら簡単に作れてしまいますよ。
先程、金額と手間を考えると既製品を購入するのもありと言いましたし、まったくその通りだと思うのですが、自作でなければ不可能なメリットもあります。
それはサイズをカスタマイズできるという点です。
既製品は最大公約数的なサイズに設計されていると思うのですが、運転者の好みでもう少し長くとか、収納場所の関係でもう少し短い方がなんて要望は自作でなければ無理です。
ただ、その要望ですら基準となる何かが無いと何とも言えませんよね。
今回は私が作成したサイズとその感想もご紹介しますので参考にしてみて下さい。
サイズを決める
既製品のサイズは公式に仕様が掲載されていませんが、画像で見る限り、取り付けボルト穴ピッチの約3.5~4倍と推察できます。
HS970のハウジングに開いた穴間を計ってみると芯々で約132mmです。
つまりサイドカッターの縦は約460~530mmという事になりますね。
はい、実は採寸を間違えまして、縦は570mmあります。(笑)
最初の穴間隔を測り間違えたので、無駄な穴も開いているのは気にしないで下さい。(画像のマーキングは穴間232mmあります。)
ただ、これが自作の自由度、寸法は好みでどうにでもできるという事ですね。
長く作り過ぎたせいで、車庫に収納する際、少し場所を取るようになりました。
テスト運用を重ねて問題無さそうであれば、当初の予定通りもう100mmほど短くしようと考えています。
材料の選定と加工のコツ
今回私が使用したフラットバーは30mm幅で厚さが3mmの物です。
純正品も画像を見る限り、そのようなサイズ感に見えますよね。
そして実際の寸法決めですが、紙と違い、厚みのある鋼材の工作にはちょっとしたコツが必要です。
厚みのある鋼材は、どうしても曲げる位置が想定よりもずれてしまうものです。
従いまして、コの字の縦を採寸して一度曲げてから横の辺の採寸、最後にもう一辺の縦という順番で一辺ずつ長さ決めして行くのがおすすめです。
まあ、ここで少々寸法が違ったとしても、見た目の問題で機能に重大な差異は無く、大事なのは左右2か所のボルト穴ピッチです。
このピッチが不正確だとボルト固定できませんので、本当に大事なのはここだけです。
各種工具の用意
私は友人の工作室で機械をお借りしましたが、DIYで金属加工のハードルをグッと上げるのはこの部分だと思っています。
逆に言うとこの部分をクリアできる方にはなんて事の無い工作となりますね。
必要な工具は穴開けに使うボール盤、フラットバーを奇麗に曲げるためのバーナーと万力とハンマー、寸法通りカットするためのグラインダーカッター等です。
塗装
今回は奮発してSUS304ステンレスのフラットバーを使っていますので、そのまま使ってもサビ等とは無縁の末代ものですが、除雪機本体との統一感を出すために純正色の黒で塗装しています。
塗装するなら安価な鉄でも良いのでは?というツッコミはなしで。(笑)。
除雪機のサイドカッター自作まとめ
除雪機のサイドカッター、私はDIYが趣味ですので自作しましたが、工作機械を用意するハードルと材料費を考えるとあまりコスパの良いDIYではなかったかもしれません。
ただ、装備としての機能は優秀で、除雪機の寿命と同等かそれ以上持つ事を考えれば純正品を定価で買っても充分お得とも言えます。
私も今まで膝よりも高く積もった雪は、一度スコップで崩しながら除雪機を動かしてという繰り返しをやってきました。
サイドカッターでどの程度までの高さを一度に飛ばせるか、次の大雪、吹き溜まりが少し楽しみになっています。
ただでさえ苦行の除雪、何か楽しみがあっても良いですよね。(笑)