友人から起動しなくなったDELLのノートパソコン、inspiron17 5759の故障診断を引き受けました。
症状としては起動後、DELLのロゴが出たままアイコンがクルクルして先に進まないというものです。
万が一のためにオプションで同時購入していたリカバリーディスクも受け付けないとの事。
2015年発売のモデルなので補償期間は当然過ぎていますし、有償修理となれば微妙な金額設定になりそうですよね。
本人はあきらめてAmazonで安価な代替候補を探したりしていましたが、このPC、5年前の製品にしては中々のスペックです。
このまま廃棄は惜しいですし、友人も気の毒だったので私が預かって故障原因を調査することにしました。
最終的には無事に復活して原因の切り分けも出来ています。
今回の作業でのDELL特有の故障診断エラーメッセージやリカバリー、HDD交換等で参考になると思われる情報をまとめましたのでシェアしたいと思います。
もくじ
故障原因の特定
DELLのPCのBIOSには不具合のあるパーツを自己診断できるePSAという機能が搭載されています。
ほぼ英語表記な上、ネットに接続出来ていないのでコピペ→翻訳という伝家の宝刀が使えないビハインドはありますが、頑張って解読しましょう(笑)
この診断に入れる方法は複数ありますが、代表的な所では
- リカバリーディスクをセットしてF12からDVDブート後、キーを何も押さない。
- 起動後F12を連打→一覧から「Diagnostics」を選択
- 起動後F8を連打
- 電源ボタンとFnキーを3秒同時押し→ダイアログで「Y」
等です。
この診断で大音量のビープ音と共に表示されたエラーコードは「2000-0142」
エラーコード一覧を参照すると、ハードドライブエラーとあります。
DELL公式HPのエラーコード一覧はこちらから確認できます。
エラーコード2000-0142なら自己解決の見込みあり
表示されている2次元コードからアクセスした先で、すでに入力されている内容を「送信」とすると、条件に合ったアドバイスが表示されます。
提示されたアドバイスは画像のような内容。
つまり、「HDDが壊れてるみたいだから替えたらいいよ」と言っており、「おすすめはこちら」と販売ページや交換方法へのリンクも載ってます(お高いです。)
ノートパソコンの場合、ハード的な故障はデスクトップパソコンよりも自前で修理できるパターンが制約されます。
しかしHDDの故障であれば自分で交換出来ますから、むしろラッキーとも言えますよ。
今なら価格でも性能面でもSSDにしない理由は無いですよね。
SSD換装してエラーコード2000-0151が出る理由
不具合原因は分かったので、手持ちの使っていないSSD(64GB)と換装してリカバリー、と思ったら間違って先程の自己診断に入れてしまいました。
するとビープ音と共に2000-151というエラーコードが。
エラーコード一覧から確認すると、「ハード ドライブに障害のあるSMARTが存在している」とあります。
試しにもう一台のSSD(128GB)でテストするとこちらは「no issues」(問題無し)の表示。
こうなる理由は後で気付いたのですが、結論を言いますとこの段階では気にする必要はありません。
実はこれらのSSD、過去に私がOSのインストールドライブに使用していた物なのです。
少し難しい話になりますが、古い形式(MBR)でWindowsをインストールした事があるSSDは、フォーマットしただけでは最新の形式(GPT)でUEFIブートインストールが出来ないのです。
深く考えなくても大丈夫です。
対処方法はありますので後述します。
気になる方のために少々解説しますと、今時のPCはWindows10をインストールする際、UEFIという形式を使用します。
この形式でインストールするにはSSD(HDD)がGPTという形式でフォーマットされている必要があるのですが、古いOSをインストールした事があるSSDはMBR形式でフォーマットされており、ePSAはWindows10をUEFI形式でインストールできるドライブが無いと判断しているのですね。
リカバリーディスクとDVDドライブも疑う
友人は有料オプションのリカバリーディスクを持っていましたので、こちらを使用してクリーンインストール・・・と思ったのですが、Windowsのメニューが出ない。
F12からブート選択、Enterキーを押しても画面が進みません。
キーを押さないと診断に入ってしまい、無限ループです。
操作方法が間違っているのかと思い、サポートに問い合わせた所、操作に問題は無く、メディアの不良ではないかとの事。
それならば公式で紹介されている「Dell OS Recovery Tool」にてUSBメディアを作成してクリーンインストールかと思ったら、本家マイクロソフトのWindows10のダウンロードを勧められました。
DELLのWindows10PCならリカバリーメディアはいつでも作れる
ちょっと意外でした。
私の認識では、マイクロソフトソフトのHPで配布されているWindows10は単体購入した無印製品のための物と思っていたからです。
メーカー製のPCはプリインストールソフト等、なにがしか独自のアレンジが加えられているので、DELLも当然そうだろうと思っていたのです。
サポートの方の説明では、「Dell OS Recovery Tool」でクリーンインストールすると工場出荷時の状態、つまり5年前のWindows10がインストールされ、アップデートで一手間あると。
マイクロソフトからDLすると最新版がインストールされ、シリアルナンバーの入力は必要無いとの事。(キー情報は内蔵されているらしい)
PCが2台あればオプションの有料リカバリーディスクはおろか、購入時にUSBメモリのリカバリーディスクを作っておく必要も無いのですね。
今回の作業は自作愛好家の私としても非常に勉強になりました。
最新のWindows10のインストール用USBツールはマイクロソフトの公式HPから入手できます。
USBメモリのリカバリーメディア作成の注意点
今回、手元に16GB以上の未使用USBメモリが無かったので、外付けケースに入れたSSDにダウンロードしようと試みましたが、ダウンロード先として選ばせてくれませんでした。
同じUSBの記録媒体なのだからいいじゃない、と思いましたが厳しいですね(笑)
MBRフォーマットされたSSDにWindows10をインストール
さて、マイクロソフトのHPから専用ツールをダウンロードして作ったUSBメモリでクリーンインストールしようとすると、画像のような警告が出てインストールさせてくれません。
これは先述したMBRのせいなのですが、解決方法は簡単です。
該当ドライブを削除して「次へ」でインストールが始まります。
これはSSDを削除するという事ではなくて、インストールしたいので後はお任せします、みたいなイメージですね。
最もまっさらな新品を買って換装するのであればこんな余談も必要無いと思います。
故障でなくてもHDDをSSDに交換するのはおすすめ
無事にWindows10はクリーンインストールすることができ、軽い動作テストの末、HDD以外の不具合は無いと判断。
64GBのSSDは使っていなかったので友人にプレゼントしましたが、当然実用サイズではありませんよね。
診断結果を伝えると、友人は喜んでAmazonで換装用のSSDを物色していました。
SSDは自作機、ノートPC換装用と5台程購入してきましたが、本当に値下がりしましたよね。
自作大好きな私が過去に最も費用に対する性能向上を体感できたのはぶっちぎりでSSDです。
ハッキリ言ってこのサクサク感を体験すると、もうHDDには戻れませんよ。
故障でなくてもSSDに交換するのは絶対におすすめです!
結果的に今回の修理に掛かった費用はUSBメモリと換装用のSSDのみと、最低限の出費で済みました。
DELLのパソコンに不具合が出て、ePSAの診断結果が2000-0142だった方は是非試してみて下さい。
ちなみに再起不能だったらDELLの公式HPを勧めるつもりでした↓
自作PCを組み立てると、パソコンの分解やBIOSの設定に抵抗感が無くなりますよ。