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【レビュー】ArcherAX73V 最新のWiFi6ルーターを検証

【レビュー】ArcherAX73V 最新のWiFi6ルーターを検証
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WiFi6(IEEE 802.11ax)という規格が登場して早4年、対応する機器も本当に増えましたよね。

というか次のiPhoneはWiFi6E実装なんて話もありますし、すでに次世代規格WiFi7の話も聞こえてきます。

当然、規格の過渡期となれば対応機器の値段もこなれてきていますし、機能的な成熟度もピークではないでしょうか。

実は私、3年前にルーターを新調しているのですが、その時はWiFi6も登場したばかりでまだ対応製品も少々高価でしたので見送っていました。

そろそろ頃合いかな・・・、そんな風に思っていた所にTP-Link社から新製品ArcherAX73Vの製品提供の申し出があり、レビューを引き受ける事に。

果たしてWiFi6規格対応ルーターは現状の非対応ルーターから買い替える価値があるのか。

自宅のルーターの買い替え時期の方はもちろん、WiFi6に興味のあった買い控え組の方も是非参考にしてみて下さい。

そして当ブログのお約束ですが、製品提供を受けたからと言って盲目的に製品を褒めたりは致しません。

客観的な事実と感想のみをお話ししますのでご安心下さい。

ArcherAX73Vを導入してどの位速くなった?

ArcherAX73VとC6の対比ArcherAX73V(左)とArcherC6(右)

今までの我家のネット環境はというと、ドコモ光の戸建てプランで終端装置(PR-S300SE)にTP-Link社のArcher C6というWiFi5ルーターを接続していました。

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有線のメインPC

ドコモ光の有線スピードテストの結果

上の記事を書いてから久しぶりに我家の回線のスピードテストをしたのですが、有線の最高速がかなり下がっていました。

3年前は300Mbps程出ていたのですが、これはベストエフォート方式の光回線ですから仕方がない所。

我家が加入する戸建てプランというのは最高32戸のユーザーがぶら下がる事が想定されているそうなので、おそらくは3年前よりも私が使用している回線に新規ユーザーが増えたのかなと思っています。

前提としてONUに直接有線で接続した通信速度が物理的な我家の最高速度となります。

つまり、どんなに優秀なWiFi機器でもこの速度を上回ることはないとも言えます。

契約しているのは1Gタイプのドコモ光回線ですから遅いとは言いませんが、若干夢のない最高速度ですよね。

ちなみにLANケーブルを終端装置から直接AX73Vに差し替えても速度はほぼ変わらないので、ルーターを介す事での伝達ロスは無いと言えます。

2023年8月に組んだばかりの自作PC背面

さらに付帯情報としてメインPCは最近組んだばかりのWindows11、最新のLANポートを搭載したマザーボードを使っていますのでPC機器がボトルネックとなっている部分は無いと思っています。

ノートパソコン

CHUWI AeroBook

まず速度比較するのはサブで使用しているWindows10ノートパソコン。

こちらは4年程前に購入したCHUWI AEROBOOK、搭載するWiFi規格はIEEE 802.11ac、つまりWiFi5といわれる規格です。

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Appleシリコンを搭載する前のMacBookPro等がこの規格だったので、まだまだ現役で使っていて速度比較が気になる方も多いのではないでしょうか。

こちらは以下のような結果になりました。

AeroBook ArcherC6 5GHzでの速度
AeroBook ArcherC6 5GHzでの速度

AeroBook ArcherC6 2.4 GHzでの速度
AeroBook ArcherC6 2.4GHzでの速度

AeroBook ArcherAX73V 5GHzでの速度AeroBook ArcherAX73V 5GHzでの速度

AeroBook Archer73V 2.4 GHzでの速度
AeroBook ArcherC6 2.4GHzでの速度

若干AX73Vの方が速いですが、WiFi6対応機器ではないせいかC6に対するAX73の優位性はそこまで感じられません。

ここではWiFi6かどうかというよりいかに5Ghz帯を利用できる環境にいられるかどうかという方が重要のようです。

いわゆる電波のつかみ的なものですが、次章のiPhone12の結果と合わせて後述したいと思います。

iPhone12

iPhone12とTether画面

今回、私の手持ちでWiFi6に対応した機器はiPhone12だけでしたので、WiFi5のC6との差が出るとすれば正にここ。

皆さん興味のある所ですよね。

気になる結果は以下のようなものでした。

iPhone ArcherC6 5GHzでの速度 iPhone ArcherC6 2.4GHzでの速度
(左C6 5GHz 右C6 2.4GHz)

iPhone12 ArcherC6 5GHzでの速度 iPhone12 ArcherAX73V 2.4GHzでの速度
(左AX73V 5GHz 右AX73V 2.4GHz)

ナナ
ナナ
え?変わらない?
ロンゴ
ロンゴ
はい、速度に関しては私も同意見です

ただ、比較する上で他にも考慮すべき要素は色々とあり、ノートPCの結果と合わせて次章で解説します。

TP-Link Archer AX73Vをおすすめできる人できない人

ArcherAX73Vと更新したドコモ光の終端装置(ONU)

ArcherAX73Vにしたら回線速度は絶対に向上するかと聞かれたら・・・。

少なくとも私の環境下での最高速は変わりませんでした。

ただ、その原因は分かっていて、我家で言えばボトルネックは大元の回線速度です。

有線の最高速度が5Ghzの速度と変わらない環境下では比較としてフェアではないですよね。

少なくとも有線速度がずば抜けていて、無線速度がその何割という測定条件でなければ無線の限界値が分かりません。

という事で、現在WiFi5環境で有線と無線の速度が著しく違っている方にはAX73をおすすめします。

有線の速度に無線で到達できていないのであればもう伸びしろしかありませんからね。

故障にしろ保守にしろ、購入検討中の方は高すぎず安すぎずのこのクラスがおすすめです。

そしておすすめできない人がいるとすれば、自宅の有線速度が100Mbps程度の方。(私?笑)

今回の検証でAX73Vは5Ghz帯ならば100Mbps前半くらいは普通に出てしまうのが分かりましたので、古いルーターでも同じような速度が出ているのであれば、あえてお金を出して買い替える必要は無いのかなと。

ただ、無線の速度が出なくて悩んでいる方はこの限りではなく、大いに試す価値ありです.

アンテナが無くなった事の影響はどれくらい?

Archer AX73V

ArcherAX73VはそれまでTP-Link製品の代名詞とも言える外付けアンテナが無くなった事が特徴的ですよね。

見た目にスタイリッシュで見える場所に置くなら歓迎すべき変更点です。

ただ、電波の到達距離に重きを置くユーザーには心配になる点だと思いますので、電波の到達距離も比較検証してみました。

WiFi6(IEEE 802.11ax)接続の影響なのか、5Ghz領域がとてつもなく広くなっているようです。

終端装置がリビングのテレビ横である我家は当然WiFiルーターもその横。

現状のWiFi5ルーター、ArcherC6であれば1階は5Ghz領域ですが、2階に移動した瞬間2.4Ghz接続となります。

その点このAX73Vは2階どころか玄関から出て敷地の端から端まで行ってやっと2.4Ghzになる感じです。(我家の敷地は約100坪程)

前述の検証の通り、AX73Vの5Ghz帯速度はほぼ有線の最高速度と変わりませんから、家中どこでも最高の状態を実現できている事になりますね。

WiFi6接続と内臓アンテナの性能向上の合わせ技だと思います。

速度が出ない時の対処とサポート体制

実は今回、AX73Vを提供頂いてレビューを請け負った訳ですが、最初から前述の速度が出ていた訳ではありません。

当初は既存のArcherC6よりも速度が出ず、様々な設定変更、そして最終的に本体の交換までして頂きました。

今回の事例は本当に特殊でネット上に情報もありませんでしたし、TP-Linkのサポートの方も聞いた事の無い事例だと言っておられました。

希少な例ですが、これから同じ状況になられた方の参考になれば嬉しいので情報を共有したいと思います。

結論から言いますと、速度が出ない原因はドコモ光からレンタルされている光回線の終端装置(ONU)の不具合でした。

「WANポートに接続されているLANケーブルはギガビットに対応していません・・・」という警告

ArcherAX73Vのセットアップが終わった時に「WANポートに接続されているLANケーブルはギガビットに対応していません・・・」という警告が出ていたのですが、付属のケーブルはカテゴリー5eでしたのでなぜ?という感じでした。

そして手持ちの他のカテゴリー5eケーブルでも同様の結果でしたので、最新のカテゴリー8というケーブルを購入して試しても同様の結果。(TP-Link社ではカテゴリー7、8のケーブルは特殊なため推奨しておりません)

終端装置(PR-S300SE)の設定画面

終端装置の設定画面で4つあるポートのリンク速度を調べてみると、有線でメイン接続しているポートとArcherC6のポートが1000Mbps接続、ArcherAX73Vがつながるポートは100Mbps接続でした。

100Mbps接続になる原因ですが、もちろんどちらにもその可能性はあります。

しかし、今回はAX73VのケーブルとC6のケーブルを振り替えてみるとリンク速度はそのまま、AX73VとC6の速度が逆転してしまいました。

つまり、終端装置のポートの一つがギガビット接続できていなかったのが、速度低下とケーブル誤認の原因と判別できたのです。

元々許容範囲内で少々不安定だったので、故障対応という事で交換して頂きました。(故障対応の代替品は新品ではなくリサイクル品だそうです。)

実はこの不具合特定もTP-Linkサポートの方と電話で話しながら原因を切り分けて特定できまして、どんなに自分でできることはやりつくしたはずと思っていても何か見落としがあったりします。

我慢強く様々なケースを提示してくれるTP-Link社のサポート体制も好感が持てました。

WiFi6ルーターArcherAX73Vは買いか

ArcherAX73V外箱 ArcherAX73V同梱物一式

今もしも、何かの理由でルーターの買い替えを検討しているなら下の項目を参考にしてみて下さい。

  • WiFi6対応機器を2つ以上持っている。
  • 自分の居住空間が2.4Ghz帯になっている事が多い。
  • 有線と無線の速度がかけ離れている。
  • 予算として1万円出せる。

このような要件に当てはまる方は買うと幸せになれと思います。

WiFi6も登場から4年、製品技術としても成熟期に入っているでしょうし、次の規格も登場しています。

今のこの段階でこの価格推移なのであればコスト的に底値なのではないかと予想します。

そして私が3年前にArcherC6を購入した際、デメリットとしてあまり聞いた事のないメーカーで不安と言っていたのですが、3年使ってトラブルは一度もなく、とても安定していました。

失礼な事を言ってしまったと訂正してお詫びしたい気持ちです。

価格.comのルーターランキング等で見るとシェアとしてはまだ某B社、N社が多いようですが、実際に3年使ってきたユーザーとしては自信を持っておすすめできる性能と安定感を感じられるメーカーです。

ルーターの購入予定がある方は是非選択肢の一つにどうぞ。