秋の気配が深まりだして来ましたね。
このタイミングでやっておきたいのがこれから活躍する除雪機のオイル交換作業。
しかし車やバイクと違うのは、自走してショップに乗り付け、お願いしますとはいかない点です。
10,000円~15,000円程払えばシーズンオフの保管やオイル交換を引き受けてくれるショップもありますが、私は自宅のガレージで保管しています。
せっかく無料の自宅保管なので、オイル交換作業も必要最低限の費用で済むよう自分でやってみました。
私の除雪機は2年前に中古で購入したホンダのHS970です。
2シーズン記録的に雪の少ない冬が続いたために稼動が少なかったので、今回初めてのオイル交換です。
必要な物や費用、手順などを詳しく書いていますので、自分で挑戦してみたい方は是非参考にしてみて下さい。
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もくじ
HS970の指定オイルを用意する
まずは交換するオイルを用意するのですが、取扱説明書に記載されている指定は次のような物です。
4サイクル ガソリンエンジン用オイル
粘度 5W-30
グレード SE、SFまたはSG級相当オイル
容量 1.1リットル
どこでも手に入る一般的な物ですね。
ここで少し疑問に思った事を調べて検証しましたのでシェアしたいと思います。
指定のオイルグレードが売っていない
ホンダからHS970が発売されたのは1994年です。
その当時のAPI規格の最新(最高)がSGだったのですね。
2020年5月時点での最新規格はSPとなっています。(Sの後はアルファベットの配列になっています)
ですから現在店頭で販売されている物はSLからSNが主流で、今回私が購入した物もDCMブランドのSNグレードです。
アルファベットが進んでいるのは、年々規格を厳格にして性能が向上している証ですので安心して現行のオイルを使用しましょう。
純正はこちら↓
オイルの量は本当に1.1リットル必要か
市販のオイルは1リットル缶か4リットル缶が一般的です。
1.1リットル指定はちょっと悪意を感じますよね(笑)
4リットル缶は割安ですが、年に1回の交換として4年分・・・
酸化や経年劣化も心配ですし、私としては1リットル缶を使いたい。
車等はエレメントを交換しなければ指定容量よりも必要なオイル量が少し少なくなります。
エレメントの無いHS970はどうなのか、気になりませんか?
今回私が検証しました。
答えは1リットルで間に合います!
画像はブロー後のオイルを計量したものですが、500+350で850ミリリットルでした。
トレーなどに付着した分は誤差のようで、新しく入れたオイルもジャスト850ミリリットルでしたよ。(1.1リットルは完全に空の状態を想定しているのだと思います。)
私と同じ考えの人は安心して1リットル缶を購入しましょう。
個体差なのか、1リットル以上入ったとコメントしている方もおられます。
念のために排出したオイルを計量してみて下さいね。
オイル交換前に準備する物
今回、自分でオイル交換するにあたり用意したグッズです。
あると色々と重宝するので記載しておきます。
ペットボトルの空容器
HS970は構造上、そのままオイルをブローすると関係の無い部分まで汚しがちになります。
お茶やコーヒーのペットボトルを利用して画像のような形に加工して、雨どいのように使用すると余計な所にオイルが垂れるのを防ぎ、作業がスムーズになります。
ウエス
Tシャツの端切れのようなウエスが使いやすいのですが、無ければ使い古したタオルでも大丈夫です。
垂れたオイルを拭いたり、手に付いたオイルを拭いたりと大活躍です。
安価ですのでメンテナンス好きの方は持っていても良いかもしれませんね。
油吸着マット
こちらも除雪機や地面にオイルが垂れた時に吸収してくれますのであると便利です。
代用品としては古タオル、新聞紙等でしょうか。
オイル受けトレー
こちらはダイソーで用意しました。
オイルブロー用のスロープからクローラー(キャタピラー)までの高さが約40mmですので、それを踏まえて容積を計算してトレーを選びます。
高さ計測は機体を水平にした状態、一番ハンドルを持ち上げた状態で計測しています。
理屈上は1リットル入れば良いのですが、余裕を持って2リットル受けられるトレーにしました。(それでも半分は埋まりますので、入ると分かっていてもドキッとします(笑))
漏斗
こちらもダイソーで購入。
これを使って本体にオイルを入れようと思っていたのですが、角度が合わず、廃油を容器に移す際に使用しました。
用意する廃油容器の形状次第ですが、やはりあると便利です。
計量カップ
もし本当に1.1リットルという事であれば計量の必要があるので購入しました。
結果的に実際に入っていたオイル量も計量出来ましたし、注入の際にあらかじめ不要な量を計量する事もできたので大変便利でした。
もちろんこちらもダイソー製、おすすめです。
12mmソケットレンチ
オイルドレンボルトは奥まっていますので、スパナやモンキーだと斜めにかかってしまい、ボルト頭をなめてしまう可能性があります。
なかなか一般家庭ではお持ちでないと思いますが、安価なT型レンチでも大丈夫ですので100均で探してみましょう。
ボックスレンチセットも意外と安いので、これから色々と自分でとお考えならセットの購入も良いですね。
新品のガスケット
こちら外径が20mmで内径に12mmのボルトが入れば汎用品で構わないのですが、たぶんいけると近所のホームセンター買った外径22mmのPIAA製は無理でした。(ガスケットが埋まる溝があるので外径が大きいと入らない)
結局行きつけのバイクショップで純正と同径の汎用品を譲ってもらったのですが、1個77円と初めからこちらの方が安かった(笑)
古いガスケットを再利用して漏れなければラッキーですが、メタルガスケットは一度締め込むと表面にへこみができて段になります。
安価ですので作業の度に新品交換した方が後悔しないと思いますよ。
HS970オイル交換手順
さあ、準備が出来たら始めます。
ちなみにこの作業を行った日の外気温は20℃程。
気温が低い場合はオイルも固くなりますのでエンジンをかけて温めて粘度調整しましょう。
オイルレベル確認
ゲージでも確認できますが、少し分かりにくいです。
のぞくと油面は見えますし、取説に書いてある指定油面がまさにここですので覚えておきましょう。
確認した後はゲージキャップは外したままにしましょう。
理由はオイルをブローする際にここから空気を吸わせて内部が負圧にならないようにしないと気持ち良くオイルが排出できないからです。
オイルブロー
ドレンボルトを緩めても、オイルはすぐには漏れ出てきませんから、ゆっくり手で緩めていき、エイ!と外します。
黒いですが、想像したよりも汚れていませんでした。
一瞬で出切りますが、注意したいのはトレーの固定です。
トレーはクローラーの上に乗せているのですが、半分位しか乗ってませんので、縁をしっかり排出スロープの下にかませておきましょうね。
出てきたオイル量は前述の通り850ミリリットルでした。
ドレンボルト装着
オイルが出切ったら新品のガスケットを付けてドレンボルトを締めるのですが、取説にはトルクの指定はありません。
一応トルク計を使ったのですが、少しずつ設定を上げていき、最終的に30Nmに設定して締め込みました。
経験上この手のガスケットは少し潰れた感触を感じるくらいでちょうど良いのですが、それがちょうど30Nm位の力加減となります。
車のタイヤ交換やバイクのパーツ組み立てにはトルク指定されるケースがよくあります。
メンテナンス好きの方は一つ持っていると重宝しますよ。
オイル注入
オイル缶付属の蛇腹の口が少し大きかったのでハサミで加工しています。
缶が空になったら完了としたかったので、計量カップに予め150ミリリットル出しておき、缶の中身を850ミリリットルとして注入を始めます。
計量カップはオイル注入口の下に置いておくと裏漏り対策にもなりますからおすすめです。
注入口はズボッと入れず、空気を吸わせるようにしながらゆっくり注ぎます。
缶が空になったら一度目視でオイルレベルを確認し、足りなければ補充ですが、今回は同レベルだったので補充は無し。
エンジンをかけるとオイルが行き渡ってレベルが変わる事もあるので一度キャップを締め、エンジン始動後に再度確認しましたが、オイルレベルは変わらなかったのでこれで完了です。(この時減っていれば補充します。)
廃油の処理
忘れてはいけないのがオイル交換した廃油の処理です。
お手軽なのはガソリンスタンドに持ち込んで引き取ってもらうのがおすすめです。
フルサービスの店舗ならば無料で引き取ってもらえることが多いですし、私もウォッシャー液の空き容器に入れて行きつけのガソリンスタンドで無料で引き取ってもらいました。
オイル交換をしていないセルフスタンドだと廃油缶を常設してない場合もありますので、事前に確認してみましょう。
それ以外だと下のリンクのような廃油処理容器もあるのですが、自治体によってゴミ収集のルールが違います。
お住まいの地域で回収してもらえるか確認してみましょうね。
HS970のオイル交換まとめ
HS970のエンジン構造、私が開発者ならもう少し何とかしたな~という残念な作りです。
現行機種はエクステンダーという延長部品が装着されていて若干マシになっているようですが、それにしても気持ち良くオイルをブロー出来る構造ではないですよね。
今回の作業、車やバイクでオイル交換の経験がある方ならなんて事はない作業なのかもしれませんが、初めての方はちょっとドキドキすると思います。(私です)
でも大丈夫、この記事を読みながら時間をかけて取り組めばきっと上手く行きます。
なにせ今回かかった費用はグッズも含めて1,000円程。(使うオイル次第ではありますが。)
これをショップに依頼したら引き取りと納車も含めて5,000円から10,000円はかかります。
秋の休日に楽しみながら作業をして、浮いたお金で美味しいものでも食べた方が有意義で家族からも感謝されますよ。
不安に感じるのは初めだけです。
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